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【事例研究】タイの製造業で現地化に成功!ヤシマ工業の挑戦

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Leap 編集部
Leap 編集部
海外ビジネスのエキスパートチーム
【事例研究】タイの製造業で現地化に成功!ヤシマ工業の挑戦

【1分で解説!】タイ進出成功・失敗事例の概要

タイ市場は成長が続く自動車・部品メーカーの有望拠点です。この記事では、日系中小企業によるタイ進出の成功例と失敗例を取り上げ、ローカライズ戦略や教訓を解説します。成功例として自動車用バッテリーキャップを生産するヤシマ工業(東京都)が挙げられます。同社は2013年にタイへ全額出資の現地法人を設立し、自動化技術と品質管理で現地生産を実現し成功しました。一方で、河西工業(群馬県館林市)のタイ工場閉鎖は失敗例として参考になります。これらの事例から、現地化成功のポイントやよくある失敗パターンを学びましょう。最終的に、得られた教訓をもとにタイ進出を検討する企業が注意すべき点をまとめ、Leapの支援サービスへの活用方法を提案します。


ヤシマ工業株式会社:現地化成功の事例

進出の背景と戦略

ヤシマ工業は自動車用バッテリーの液口栓(キャップ)を専門に製造する部品メーカーです。国内で24時間無人稼働ラインによるバッテリー部品生産を確立していましたが、2000年代後半から日本の自動車メーカーのタイ生産が本格化したことを受け、取引先から現地進出の要請がありました。こうした背景で2013年1月にタイへ全額出資子会社(Thai Yashima)を設立。アマタナコン工業団地(チョンブリ県)に工場を整備し、同年6月から液口栓の生産を開始しました。進出初期から「日本品質を現地で」という戦略を掲げ、現地パートナーと連携して土地と設備を確保しています。

自動化と品質管理による差別化

ヤシマは本社工場で実現していた完全自動化ラインをそのままタイ工場にも導入しました。射出成形機を使ったプラスチック成形品の生産ラインを24時間無人稼働させ、日本と同等の高い品質を維持しています。顧客である自動車・バッテリーメーカーからは「日本と同等品質で、中国並みの価格で生産してほしい」という要求があり、人件費が安いタイであっても自動化で競争力を保つ方針です。また、現地従業員の技術レベル向上のため、日本の大田区産業振興協会や海外産業人材育成協会(HIDA)と協力し、タイ人技術者を日本工場に派遣してライン運営を習得させるなど教育にも注力しています。

成果と今後の展望

現地工場の設備拡充により生産能力を引き上げています。現在は液口栓の製造ラインが複数稼働しており、2024年4月には生産ラインをさらに1つ増設する計画で、生産量を約3割増加させる見込みです。これによりタイでの生産能力は飛躍的に向上し、顧客からの受注も増加しています。ヤシマは現地化により低コスト体制を築いたことで日本との価格競争に勝ち、日本同等の品質を提供し続けることができました。現在はタイ拠点を足掛かりに、周辺国への供給拡大も視野に入れています。こうした成功要因は「自社の高品質技術を現地生産で再現し、コスト優位性を確保した」点にあります。


河西工業株式会社:撤退から見えた課題

タイ工場閉鎖までの経緯

河西工業は自動車の内装部品を手がける中堅メーカーで、群馬県館林市に本社があります。同社はタイ・チョンブリ県に100%子会社を設立し、同県ピントン工業団地で内装部品の生産拠点を運営してきました。ところが2025年1月、中期経営計画の発表に伴い「ピントン工場の閉鎖」を決定。顧客への供給はタイ国内の他拠点に移管し、2026年内をめどに同工場を停止する方針です。今回の決断は、グローバル競争と事業環境変化への対応が目的で、拠点再編によって収益性改善を図る狙いです。

撤退要因と業界トレンド

河西工業の撤退決定には、国内外の自動車市場の変化が影響しています。世界的な電動化の進展や日本市場の縮小で需要が変動する中、タイの自動車産業も停滞・競争激化の局面に入りました。特に近年、中国系・台湾系の部品メーカーがタイに続々進出し、価格競争を仕掛けています。日本企業は品質では優位ですが、低価格攻勢に対抗するには自動化や差別化策が不可欠です。河西工業の場合も、現地で同等の競争力を維持するコスト構造を築けず、むしろ生産拠点を集約する道を選びました。タイでは人件費の上昇や物流コスト増、また新型感染症後の景気減速も重なり、日系部品メーカーが採算面で厳しさを増している点も大きな背景です。


成功・失敗事例から得る教訓

事例から浮かび上がるのは、進出前後の緻密な準備と現地適応の重要性です。成功例では現地生産体制の構築だけでなく、効率化や品質維持に注力している点が共通しています。一方で失敗例に見られる失敗パターンとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 市場調査・パートナー選定の不足
  • コスト管理の甘さ
  • 現地人材・文化への対応不足
  • 製品・サービスのローカライズ不足

これらを踏まえれば、失敗例から有効な教訓が得られます。ヤシマ工業の成功からは「日本品質×自動化×現地化で差別化する」重要性が学べ、河西工業の撤退からは「競争激化した環境下でコスト・需要変化に柔軟に対応できないと厳しい」という警鐘が響きます。日系中小製造業が海外進出する場合、このような具体的事例を参考にして対策を練ることが大切です。


FAQ:よくある質問

Q1. タイ進出で失敗しやすい典型的な理由は何ですか?

日本本社の常識やビジネスモデルをそのまま適用し、現地市場のニーズやコスト構造を軽視する点が挙げられます。物流・人件費の見積もり不足や、現地人材マネジメントの甘さが積み重なり、撤退に至るケースがあります。

Q2. 製造業がタイ進出で成功するために重要なポイントは?

日本品質を維持しながらコスト競争力を確保することです。自動化投資、現地人材育成、ローカライズ対応を並行して進めることが成功の鍵となります。

Q3. 進出準備で最初にやるべきことは何ですか?

市場調査と競合分析です。加えて、法規制、税制、販売チャネル、物流体制を事前に把握することで、進出後のリスクを大幅に減らせます。


まとめ:Leapで広がる可能性

タイ市場は製造業にとって依然として魅力的ですが、成功と失敗を分けるのは「どれだけ現地を理解し、具体策を講じたか」です。Leapでは、代理店マッチング、多言語サイト構築、越境EC、SNS自動翻訳投稿などを通じて、こうした課題を実務レベルで支援しています。事例から得た学びを行動に落とし込みたい企業にとって、Leapのサービスはその実行力を高める選択肢となるでしょう。


参考文献

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